

(安田氏)キャラクターと風景のデザインに惹かれましたが、それだけでなく、基本を踏まえた本格的なアニメーション技法にも感心させられました。出品された作品を審査していく過程で、「おっ!これは!」と身を乗り出してしまいたくなる個性があり、観る人を作品世界に引き込んでいく、優れた作品に仕上がっていました。また、和風の配色がとくに良かったと思います。
(山本氏)背景・キャラクタデザインともに、とても良く出来ていると思います。動作が歪なのも、狙って行っているのであれば、良いと思います。強いて言えば、ストーリー性とか全体の流れとかのバランスがとれていれば、更に良かったと思います。
(瀬川氏)今回唯一の共同作品。タイトルの書き文字、キャラクターや全体の世界観など楽しんで作っている様子が伝わってきます。絵巻の平面の世界に奥行きを感じる演出をするなど、こだわりも感じられます。キャラクター全体に手描きらしさや、場面展開などが生まれるとさらに作品としての強さが出るでしょう。

花暦十二単は12か月分の作品から構成されています。ここでは9月の「月下美人」をご紹介します。
(安田氏)根気の要る製作過程を経た秀作です。作者の花の絵に対する愛着がとても深いことがよく感じられます。また、デジタルの技法もよく踏まえられており、CGとして高く評価できます。
(山本氏)力作だと思います。惜しむらくは、数が多いためか、若干やっつけぎみのものがあるのが残念です。絵画ならともかく、やり直しのきくCGの場合、細部までこだわって欲しかったと思います。
(瀬川氏)葉や花びらの繊細な陰影を良くとらえて表現されています。画面内の余白やタイトルも作品の構成要素の一つとして意識すると良いでしょう。

アヤカちゃんのクリスマス
(安田氏)ストーリー性の豊かなアニメーション作品です。たくさんのグラフィックスを作るのに、とても手間がかかったことが想像される労作です。
(山本氏)ポップな感じがとてもよく描けていると思います。CGとアニメーションにこだわりすぎて、ストーリーがおろそかになってしまったのが残念です。
(瀬川氏)シンプルな表現の中にもディティールが描き込まれ、しっかりと世界観が出来ていると思います。

(安田氏)伝統的な絵画の世界をデジタルの世界で再現した美しい作品です。センスの良さに感心しました。
(山本氏)細かい所までとてもよく描けていると思います。色のバランスもとても良く、考え抜かれた作品だと思います。
(瀬川氏)遠近のコントラストがよく出ていると思います。

(安田氏)作品のアイデアが良く、見飽きない作品です。アニメーション作品としての楽しさと、3DCGを使ったグラフィックの面白さがよくマッチしています。
(山本氏)CGやアニメーション自体の技術はあと一歩ですが、アイデアは楽しかったと思います。あと少しストーリーの流れと分かりやすさを良くすると、もっと良かったと思います。
(瀬川氏)動きへのこだわり、執着がとても伝わってきました。それに付随する要素があまり練られていないので、むしろもっとシンプルな形で表現すると、より世界観がしっかりするでしょう。

(安田氏)キャラクターデザインが何といってもユニークでした。ストーリーもなかなかよくできていて、絵本としての完成度が高いのに驚かされました。作品の個性が光る、文句なしの金賞作品でした。
(山本氏)独特の表現のキャラクタが作品を際立たせていると思います。ただ、これを読む人のターゲットが想像できにくかったです。誰に何を訴えたいのかというのが分かる作品であれば良かったと思います。
(瀬川氏)キャラクターのタッチに魅力を感じました。コンピュータを使いながらもデッサン的な補助線の使い方に独自性があり、キャラクターの人間味ある生命観が感じられました。表紙に統一感を持たせたり、本文のレイアウトを工夫すると、さらにこの作品の魅力が増すでしょう。

(安田氏)これまでに制作したつまみ画を、お盆やコースターを飾るのにリサイクルしたアイデアに感心しました。つまみ画自体はデジタルではありませんが、非常に水準が高いものでした。制作にデジカメを活用しているので、デジタル作品に入ると判断しました。
(山本氏)作品をデジカメで取り入れただけという点で、デジタル作品と呼べるのかどうかで迷いましたが、作品そのものは素晴らしいものだと思いましたので得点させていただきました。
(瀬川氏)再利用して新しく使い道を発見し、それを実際に形作るという、一連の過程の中に、物への愛情が感じられて良いと思います。

(安田氏)3Dの景観作成ソフトを使用した画像の中で季節感を表現し、カレンダーに応用するというアイデアに感心しました。景観の見せ方もよく工夫されていました。
(山本氏)全てを作りこんだという点を評価しました。CGというのは、こだわりというのが大事で、それがとても伝わってくる作品だと思います。
(瀬川氏)一見ありそうで存在しえない架空の世界をリアルに表現することへの挑戦が感じられ、興味深いです。この絶妙なバランスをどんどん追求して下さい。

(安田氏)デジタル作品のできと、質の高い工作技法の両方がマッチしたとてもかわいらしい作品です。デザインの点でも、実用性の点でも申し分ありません。
(山本氏)シンプルでいて、実はとてもバランスが考えられた良い作品だと思います。CGであるが故に、懲りすぎてしまいがちな部分を、よくまとめられていると思います。
(瀬川氏)絵は小さいながらもしっかりと丁寧に描写されています。卓上カレンダー以外にもサイズの大きなものの表現も展開してみてください。

(安田氏)絵本の装丁のできが本格的なのに、まず驚かされました。文と絵がよくマッチしていて独特の幻想世界を創り出すのに成功しています。また、CG編集ソフトの使用法を踏まえており、良質のデジタル作品に仕上がっています。
(山本氏)とてもよく出来た作品だと思いますが、技術に頼りすぎて、読む人に訴える内容の部分が分かりにくくなってしまったところが残念だと思います。
(瀬川氏)架空の世界を抽象的な演出で幻想的な世界観とボリュームで表現されています。絵と文字は切り離して構成した方が両者が生きるのではと思いました。