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特集/東日本大震災から5年― 忘れてはいけない記憶 (平成28年3月1日号)

[2016年3月1日]

地震発生翌日の釜石市内の様子(提供:岩手県釜石市)

地震発生翌日の釜石市内の様子(提供:岩手県釜石市)


 日本中を震撼させた東日本大震災から、今年で5年が経ちました。
 多くの命が奪われただけでなく、自然や街や仕事を無残なまでに奪ったあの日。平成28年2月10日時点で、死者・行方不明者は18,456人。建物の全壊・半壊は400,243戸という被害が出ています。
 時間が経つにつれて当時の記憶が、少しずつ薄れつつある中、今もなお苦しみに直面しながらも復興に向け地道に歩み続けている人たちが数多くいます。
 震災から5年という節目。あの日のことを風化させてはいけません。私たちが今できることを考え、教訓を生かし、備えに努めましょう。


≪被災者の声≫

磯崎地区漁業組合 杉原崇さん(宮城県松島町)

磯崎地区漁業組合 杉原崇さん(宮城県松島町)

 震災で甚大な被害を受けた宮城県松島町。同町と大垣市は、奥の細道ゆかりの地という縁で結ばれています。
 今回、本市で開催している観光交流物産展にたびたび出店していただいている杉原さんにお話を伺いました。

◇がれきに埋もれた故郷
 震災が起こった時、私は、漁師仲間の家で話をしているところでした。揺れの大きさから、ただ事ではないと感じ、急いで家を出る準備をして、避難しました。地震、その後の津波の被害によって、慣れ親しんだ故郷は大量のがれきと泥に覆われてしまいました。

◇生活は一転…
 ライフラインは止まり、お風呂に入れず、寒い中、暖房がつかないのが困りました。また、仕事場は壊滅的な状態に。午前中は海のがれき処理、午後は店の復旧作業という日々が続き、仕事を再開するのに、1カ月半かかりました。

◇たくさんの人に感謝したい
 全国各地の皆さんには、復興への手助けをしてもらい、とても感謝してます。また、今では大垣市をはじめ、全国各地で松島湾のかきなどの物産展をさせていただいていますが、皆さんに「とてもおいしい」と食べていただけることを大変うれしく思っています。

大垣市で焼きがきを販売する杉原さん

大垣市で焼きがきを販売する杉原さん

◇地域のつながりを大切に
 震災時、備蓄品などをしっかりと蓄えておらず、近所の人には食料などを分けてもらいました。また水をくめる山を教え合うなど、情報を共有することで、大変助かりました。
 大垣市の皆さんには、備蓄品などの準備はもちろんのこと、普段から地域のつながりを大切にして、いざという時に助け合える関係を築いておいてもらいたいです。


≪大垣市から現地へ≫
 職員派遣として被災地で勤務していた大垣市職員、ボランティアで被災地を支援していた市内在住の女性に、お話を伺いました。

◇貴重な経験を業務に生かす

大垣市建築課 河合泰志

大垣市建築課 河合泰志

 岩手県釜石市に職員派遣として平成26年7月から9月まで勤務しました。担当業務は、仮設校舎の維持管理や新築工事の設計監理などです。
 現地の状況は、自分が思っている以上に悲惨なものでした。そのような中、たくましく働いている現地の職員の姿に、ものすごく勇気をもらいました。3カ月という短い期間でしたが、被災地での貴重な経験を、今後も日々の業務、また有事の際に生かしていきたいと思います。


◇災害が起こっても笑って過ごしたい

女性防災士の会れんげ 代表 伊藤三枝子さん

女性防災士の会れんげ 代表 伊藤三枝子さん

 平成23年5月から9月頃まで、宮城県石巻市や気仙沼市などへ支援に行きました。
 私は、ある地域で、自身が被災しながらも、前向きに復旧に取り組んでいる一人の男性に出会いました。その地域の人たちは、その方を中心に明るく生活しており、大変感動しました。
 そのような体験から私は、災害が起きても、笑顔で快適な避難所暮らしがしたいと思い、「女性防災士の会れんげ」を仲間と立ち上げました。多くの人に防災を考えてもらい、災害が起こっても笑って過ごせるよう取り組んでいきたいと思います。


≪他人事ではない大地震≫
 私たちの地域で大きな被害が出る地震として、「養老-桑名-四日市断層帯地震」や「南海トラフ巨大地震」が挙げられます。
 市は、平成23・24年度に、本市に影響を与える2つの地震について被害想定調査を実施しました。

【養老-桑名-四日市断層帯地震(マグニチュード7.7)】
  市内の被害(冬の朝5時に発生した場合)
  最大震度…7 死者数…1,300人 建物全壊数…24,000棟

 養老-桑名-四日市断層帯でマグニチュード7.7の地震が発生したと想定。断層が直下または直近にあるため、大垣・墨俣地域の広い範囲、上石津の一部の地域では、震度7の非常に強い揺れが予想されます。
 地震調査研究推進本部(文部科学省)によると、30年以内に発生する確率はほぼ0~0.7%程度とされています

【南海トラフ巨大地震(マグニチュード9.0)】
  市内の被害(冬の朝5時に発生した場合)
  最大震度…6強 死者数…150人 建物全壊数…5,000棟

 マグニチュード9.0の南海トラフ巨大地震が発生したと想定。市全域が震度5強以上であり、特に大垣地域は、広い範囲で6弱から6強、墨俣地域では、全域が震度6強の強い揺れが予想されます。
 地震調査研究推進本部(文部科学省)によると、マグニチュード8以上の地震が30年以内に発生する確率は70%程度とされています。

南海トラフ巨大地震の想定震源域

南海トラフ巨大地震の想定震源域

 想定される2つの地震について、市内の揺れの大きさを詳細に表した「震度MAP」は、生活安全課で配布の防災ガイドブック、市HPの「大垣市統合型GIS(防災マップ)」をご覧ください。


≪今一度“ 備え” を考えるとき≫
 いつ起こるかわからない災害に備えることが、大切な命を守ります。この機会に次のことについて確かめてみてください。
 詳しい内容については、生活安全課で配布の「防災ガイドブック」(市HPから閲覧可)をご覧ください。

◇あなたの家は大丈夫?不安があれば耐震診断を
 昭和56年5月以前に建てられた家は、旧耐震基準で建てられています。耐震診断を行い、危険という結果が出た場合、専門家に相談のうえ、補強をしましょう。耐震診断、補強の相談は、建築課(TEL 47-8436)へ。

◇災害時の「安否確認」の方法を決める
 災害が起こったとき、大切な人と一緒にいるとは限りません。家族や友人と災害時の「連絡方法」を確認しておきましょう。
【大切な人と使い方の確認を「災害用伝言ダイヤル(171)」】
 災害発生時に提供される「声の伝言板」。固定電話、携帯電話、公衆電話から利用でき、1伝言30秒まで録音可能です。毎月1・15日は体験ができますので、ぜひ安否確認をとりたい人と使い方を確認してください。

◇非常持ち出し品の用意を
 子育て中や持病のある人など、それぞれ「持ってないと困るもの」は、非常時すぐに持ち出せるようにしましょう。
【最低限、用意したいものリスト】
 □飲料水 □非常食 □ 衣類(防寒具も) □手動式懐中電灯 □ローソク
 □ラジオ □携帯電話用バッテリー □電池 □現金 □ビニールシート
 □ライター □雨具 □ナイフ □ビニール袋 □ウェットティッシュ


 NPO法人防災支援ネットワークの理事長を務める髙木さん。市の防災出前講座などにご協力いただいています。
 今回は、髙木さんに災害への備えなどについて、お話を伺いました。

NPO法人防災支援ネットワーク 理事長 髙木淳一さん

NPO法人防災支援ネットワーク 理事長 髙木淳一さん

◇悲しい記憶を教訓に
 被災地へは、ボランティアとして宮城県東松島市や南三陸町に何度も行きました。想像を超える惨状を目の当たりにし、悲しみに耐えられない思いになったのを覚えています。
 私は、この悲しい記憶を風化させず、多くの人に地震の怖さ、災害への備えの大切さを伝えていきたいと考えています。

◇自分の命を守る準備 できてますか?
 まず、自分の命を守るという意識をしっかり持つこと。自分を守れなければ、大切な人を救うこともできません。
 一番に取り組んでほしいのは、家具転倒の防止、家屋の耐震化です。家族で話し合い、避難場所や連絡方法を確認、非常持ち出し品を準備しておくことも大切です。
 また、ご近所での“あいさつ”を大切にしていますか?災害時には、近隣の住民同士の協力が不可欠です。地域での交流の輪を広げておいてください。


≪数字で見る大垣市の防災力≫

防災出前講座

防災出前講座

【24→40】防災出前講座の開催数
 東日本大震災前の平成22年度と平成27年度(1月末現在)の講座年間開催数を比較したもの

 市が主催し、NPO法人防災支援ネットワークにご協力いただいている「防災出前講座」。震災後の講座開催数の増加から、市民の意識が向上していることがうかがえます。
 同講座について詳しくは、生活安全課(TEL 47-7385)へ。


【4→10】県外都市との協定締結数

 東日本大震災前の平成22年度から平成26年度までの災害時相互応援協定締結数の推移

 大規模災害発生時、一地域の防災機関だけでは対応が不十分になることが考えられるため、県外他都市と協力を相互に行う協定を締結して応援体制の整備を図っています。


【691】消防団員数

 平成27年4月1日現在の消防団員数を示したもの

 それぞれの地域で、火災や自然災害から住民の命と暮らしを守る消防団。昼夜を問わず発生する災害現場に駆けつけるほか、日頃は消火訓練などを行っています。


【331】防災リーダー認定者数

 市主催の「防災ひとづくり塾」を修了した防災リーダー認定者数(平成21年度から26年度までの累積数)
 
 地域の防災リーダーを育てるため開催してきた「防災ひとづくり塾」。防災リーダーとして、日頃は地域の防災訓練や研修を行うほか災害時には救援救護活動などで活躍します。


【100%】小・中学校の耐震化率

 市内の小・中学校の校舎の耐震化率を示したもの
 
 平成11年度から進めてきた市内小・中学校の耐震化事業。昨年の春、全校舎の耐震化が完了しました。災害時には、避難所として一時的に生活する施設となります。

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