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    障がいへの理解を深める<障害者週間:12月3日~9日> それぞれの目標に向かって進む 障がい者スポーツ (平成30年12月1日号)

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    • ページ番号  43272
     12月3日から9日までは、「障害者週間」です。障がいのある人もない人も、共に支えあって暮らすためには、市民一人ひとりが障がいについて正しく理解することが大切です。
     今回の特集では、障がい者スポーツを取り上げます。
     市は、2020年東京オリンピック・パラリンピックをめざす競技者を「応援アスリート」として認定するなど、彼らのがんばりを応援していきます。
     そこで今回は、周囲に支えられながら全国や世界で活躍する、地元のアスリートを紹介します。

    東京オリンピック・パラリンピック応援アスリート認定式 前列の右から3番目が服部選手、2番目が三好選手(8月7日撮影)

    東京オリンピック・パラリンピック応援アスリート認定式 前列の右から3番目が服部選手、2番目が三好選手(8月7日撮影)


    ≪分かり合えたから、今がんばれる。≫
    服部綾香さん(15歳)/ 知的障がい

    服部綾香さん(15歳)/ 知的障がい
    撮影場所:岐阜県福祉友愛プール


    ■興文中学校3年、(公社)すくすく岐阜所属
     市が、第27回大垣市少年スポーツ賞を授与、2020年東京オリンピック・パラリンピックの「応援アスリート」に認定
    ■入賞歴
    ・第21回日本知的障害者選手権水泳競技大会 200メートル自由形3位、100メートル自由形4位
    ・2018ジャパンパラ水泳競技大会 100メートル自由形8位、200メートル自由形7位
    ・第18回全国障害者スポーツ大会 50メートルバタフライ1位、25メートル平泳ぎ1位、200メートルリレー1位
    ・第21回日本知的障害者選手権(25メートル)水泳競技大会 200メートル個人メドレー3位、50メートル平泳ぎ1位

     普段は少しシャイな女の子が、ゴーグルをつけると表情が一変。小さな体から力強い水しぶきを上げ、飛ぶように進んでいく。今年、大垣市少年スポーツ賞を受賞した服部綾香さんだ。
     服部さんは、3つ上のお姉さんの影響で、5歳のときに水泳を始めた。「25メートル泳げるようになれたら」という当時の目標は、今では「世界大会に出る」にまでふくらんだ。

    ◆先生・友達との出会いで成長
     恩師の山内先生に出会ったのは小学4年生の時。服部さんの個性に合わせた指導と、大会に出場したことをきっかけに、彼女の力は急激に伸びていった。
     「仲間と練習するのが楽しい。きつい練習もがんばれる」と服部さん。互いのことを理解し合える友ができたことで、厳しい練習も乗り越え、大きく成長していった。今では、常に自己のベストタイムを出していかなければならないプレッシャーの中、自分の限界を超えていくことに喜びを感じている。

    ◆照れくさいけど、見てほしい
     「ライバルに負けるとダメ出ししてくるお母さん。でも美味しいごはんを作ってくれるし、毎日送り迎えもしてくれる」と照れくさそうに感謝の言葉を語る服部さん。そんな彼女は、好成績を出してもみんなに注目されるのは苦手だという。しかし、「世界大会やパラリンピックに出られたら、みんなに見てほしいな」と、控えめにはにかんだ。


    仲間といると笑みがあふれる服部さん(左)

    仲間といると笑みがあふれる服部さん(左)


    【Suppoter'Voice】
    (公社)すくすく岐阜 山内裕美子 先生

    (公社)すくすく岐阜 山内裕美子 先生


     水泳の記録はもちろんですが、きつい練習など大変なことを努力して乗り越えたという経験をさせてあげたい。それがきっと、社会に出たときに彼女の心の支えになるから。
     私たちは、ついつい障がい者をひとまとめにしてしまいがち。でも、彼女たちはみんな違います。それぞれ良いところを持っています。ぜひ、そこを見てあげてほしいです。


    ≪関心を持ってほしい。それが励みに。≫
    三好貴之さん(32歳)/ 下肢障がい

    三好貴之さん(32歳)/ 下肢障がい


    ■(株)吉田ハム勤務、岐阜県ボート協会パラボート部所属

     市が、2020年東京オリンピック・パラリンピックの「応援アスリート」に認定
    ■入賞歴
    ・第41回信毎諏訪湖レガッタ シングルスカル1位
    ・第40回香港レガッタ パラシングルスカル1位

     広い体育館で一人、黙々とトレーニングする青年がいる。国内外のボート競技で活躍している三好貴之さんだ。
     三好さんは社会人になって間もない23歳の時、交通事故で右足をなくした。自力でイスに座ることすらできなかった彼は今、2020年の東京パラリンピックを目指している。

    ◆ボートとの出会いと別れ、そして再開
     高校1年生の時に、ボート競技を始めた三好さん。水上を駆け抜ける爽快感がたまらなかったという。事故後、競技を継続することは難しかった。しかし、ボートに関わり続けたいと、スタッフとして競技者を支え続けた。そんな折、パラリンピックを目指さないかと誘いを受け競技を再開。わずか2年前、彼が30歳の時だった。

    ◆僕を通して、障がい者を知ってほしい
     「今の僕があるのは、事故後も雇用を継続してくれた会社や、ボートでつながってきた仲間たちのおかげ」と感謝を忘れない三好さん。そんな彼は「もっと障がい者に興味を持ってほしい」と願う。彼自身も、関心を持ってもらうことで、会社に残り、ボート競技を再開することができた経験がある。「僕を通して、少しでも多くの人が興味を持ってくれたら。そのために頑張ります」。三好さんは力強くそう話してくれた。

    母校の岐阜経済大学でトレーニングに励む

    母校の岐阜経済大学でトレーニングに励む


    【Suppoter'Voice】
    岐阜県ボート協会 若宮節夫 コーチ

    岐阜県ボート協会 若宮節夫 コーチ


     当初、ボート競技を始めることに消極的な三好さんでしたが、挑戦することを決めた後は、積極的に取り組んでいます。前向きな性格もあり、健常者の選手とも気軽に対話できるのが、彼の強みだと思います。
     三好さんに限ったことではありませんが、障がい者は元気です。無関心ではなく、気軽に声をかけてあげてください。