特集 東日本大震災から10年 命を守る 地震への備え (令和3年3月1日号)
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平成23年3月11日の東日本大震災から、間もなく10年を迎えます。今年の2月13日には、東北地方で最大震度6強の地震が発生し、今後も大規模な余震が懸念されています。私たちの住むまちでも、巨大地震がいつ発生するか分かりません。
今回の特集では、命を守るために必要な「自助・共助・公助」の役割や取り組みを紹介します。自分や家族だけでなく、地域全体を守るために、日頃から防災対策に取り組みましょう。
詳しくは、危機管理室(TEL 47-7385)へ。
総合防災訓練の様子
[想定される巨大地震]
◆南海トラフ巨大地震 30年以内の発生確率 70~80%
大垣市の被害想定(冬の朝5時に発生した場合)
◎最大震度 6強
◎建物全壊数 5,000棟
◎死者数 150人
マグニチュード9.0の南海トラフ巨大地震が発生したと想定。市全域が震度5以上であり、特に大垣地域は広い範囲で6弱から6強、墨俣地域では、全域で6強の強い揺れが予想されます。
地震調査研究推進本部(文部科学省)によると、マグニチュード8.0~9.0規模の地震が30年以内に発生する確率は、70~80%とされています。
南海トラフ巨大地震の想定震源域
◆養老―桑名―四日市断層帯地震
大垣市の被害想定(冬の朝5時に発生した場合)
◎最大震度 7
◎建物全壊数 24,000棟
◎死者数 1,300人
大垣市周辺には養老山地と濃尾平野の境界、養老山地の南に続く丘陵地の東縁に沿って、垂井町から四日市市まで延びる約60キロメートルの断層帯があります。この断層帯でマグニチュード7.7の地震が発生したと想定。断層が直下または直近にあるため、大垣・墨俣地域の広い範囲、上石津の一部地域では、震度7の非常に強い揺れが予想されます。
地震調査研究推進本部(文部科学省)によると、マグニチュード8.0程度の地震が30年以内に発生する確率は、ほぼ0~0.7%とされています。
◆地震が起きたときに取るべき行動
大地震が発生したとき、自分や家族の身を守るために、どのような行動を取るべきか確認しましょう。
≪防災士からのメッセージ≫
NPO法人防災支援ネットワーク 副理事長・防災士 髙根澤 優さん
私は被災地に立った経験より、いかに「防災」について分かりやすく伝えるかを考え、地域の防災力UPのためにサポートしています。万物は自然の摂理には逆らえず、人が住むから災害となります。「事前の一策は、事後の百策より勝る。」の通り、発災後に慌ててもどうにもなりません。まずは自分が必要となる防災の検討や対策を行い、「自助」で大切な命が守れたならば、ようやく防災の知恵や備えなどが役立ち、「共助」や「公助」にもいきてきます。
【自助・共助・公助の連携が命を守る!】
災害による被害を最小限に抑えるためには、一人ひとりが自ら取り組む「自助」、地域で助け合って取り組む「共助」、行政が取り組む「公助」の3つの連携が重要です。
一般的に災害時の助けとなる割合は、自助=70%、共助=20%、公助=10%といわれています。災害の規模が大きくなればなるほど、行政の対応力は小さくなり、自助と共助の重要性が高まります。防災白書(内閣府)によると、阪神淡路大震災では、約8割もの人が家族や近所の人たちに救出されており、「公助」である救助隊による救出は約2割程度に過ぎなかったという調査結果があります。いざというとき頼りになるのは、自治会や地域の住民です。普段から災害に備え、家庭や地域で防災・減災について話し合いましょう。
連携・協働
◎自助
自分自身や家族の命と財産を守るため、日頃から災害に対する準備をしましょう。
◎共助
近隣の皆さんと協力して地域を守るため、日頃から自治会活動などで交流を深めましょう。
◎公助
行政機関は、災害発生から、すぐに救助・災害支援活動ができるよう、備えています。
■本市で行われている「自助・共助・公助」の取り組みなどを紹介します。
【自助】
◇避難場所や連絡方法の確認
地震に備え、防災ガイドブックや防災アプリ「全国避難所ガイド」を利用して、指定避難所や広域避難場所を確認しておきましょう。また、非常時の連絡方法や避難経路を家族で話し合うことで、安否確認や避難を円滑に行うことができます。
◎防災アプリで災害時の情報を!
<主な機能>
(1)避難情報などを通知
(2)指定避難所などへの誘導
(3)安否情報登録・確認機能
≪アプリのダウンロード≫
AppStoreまたはGooglePlayにて、「全国避難所ガイド」で検索しダウンロードできます。
GPSで現在地から避難所までのルートを検索
◇非常用持出品・備蓄品の準備
市の備蓄品には限りがあります。最低限必要なものを非常用持出品として準備しましょう。また、電気やガス、水などが止まった場合に備え、各家庭で飲料水や保存の効く食料などを備蓄しておきましょう。
<非常用持出品・備蓄品の例>
・最低3日分の非常食と飲料水
・懐中電灯
・医療・衛生用品
・携帯ラジオ
・貴重品
・衣類・下着
・ビニールシート
・マスク
・体温計
・モバイルバッテリー など
※状況に応じて必要な物品を準備してください
◇家の中・周りの安全点検
日頃から家の中・周りの安全点検をすることは、命を守ることにつながります。家の耐震化や家具の転倒防止対策のほか、家の周りにあるブロック塀や壁にひび割れがないかを確認し、安全な避難経路を確保しましょう。
【共助】
◇自主防災活動への参加
一人ひとりが「自分たちの地域は自分たちで守る」という心構えで、災害に備えて地域の自主防災活動に参加しましょう。
<普段の活動例>
・研修会への参加
・地域の危険箇所の把握
・防災訓練の実施
・機材や備蓄品の管理
<災害時の活動例>
・救援情報の伝達
・避難誘導
・負傷者の救護
・避難所の運営
◎避難所運営紹介動画の確認を!
市は、新型コロナウイルス感染症対策を盛り込んだ避難所運営紹介動画=写真=を作成しました。災害時における避難の考え方や避難所運営委員会の設置と役割分担、感染防止対策の3つのポイントなどを紹介しています。
市HP(避難所運営)
◇高齢者・障がい者への支援
ひとり暮らしの高齢者や障がいのある人などは、災害発生時に、より被害に遭遇しやすいといわれています。
そこで、こうした人の同意により氏名、住所、緊急連絡先などの情報を災害時要援護者台帳に登録してもらいます。この情報を自治会や民生・児童委員などと共有することで、災害発生時に、地域での援護活動などに役立てます。
◇消防団への参加
大地震をはじめとする災害に対応するためには、多くの人の手が必要になります。このような中、地域に密着し、短時間で動員ができる消防団は地域防災の要となります。
1月末現在、市内で約670人の消防団員が活躍しています。
災害に備えて訓練をする消防団
【公助】
◇防災資機材と避難所機能の充実
大規模な災害が発生したときに、地域住民の皆さんが行う防災、避難、救助活動や避難所運営に使用する資機材が、各連合自治会地域ごとに設置された連合防災備蓄倉庫に配備されています。
また、避難所における新型コロナウイルス感染症対策のため、新たに市内小中学校(拠点避難所)に体温検知カメラを整備したほか、避難スペースにおける感染症対策のため、パーティション=写真=を備蓄しています。
市HP
地域の防災活動を担う「大垣市防災リーダー」を養成する防災ひとづくり塾=写真=を開催しています。また、自治会の防災活動を支援するため、「自主防災組織防災資機材整備事業補助金」制度を行っています。
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