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守屋多々志美術館第83回企画展「春朧」展示作品のご紹介

  • [2021年3月20日]
  • ページ番号 52979

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 守屋多々志美術館では、3月20日より第83回企画展「春朧」を開催しています。ここでは展示作品より、注目の作品やおすすめの作品をご紹介いたします。
 ご覧いただき、ご来館の参考にしていただけましたら幸いです。

なお、このコンテンツの画像は著作権保護のためダウンロードやコピー等はご遠慮ください。


展示室に入ってみましょう

  今回の企画展は「春朧」と題し、四季折々の花が描かれた作品や、王朝文学をテーマとした作品などをご紹介しています。
 展示室に入ると正面のガラスケースには、一人の人が描かれた四曲一隻屏風が展示されています。この人はいったい誰なのでしょうか。

《願わくば(西行法師)》(1998年、大垣市蔵)

 この作品は、守屋が1998年、86歳の時に描いたもので≪願わくば(西行法師)≫です。
 松尾芭蕉も憧れた平安末期の歌人 西行法師(1118~1190)を描いています。西行の俗名は佐藤義清[のりきよ]といい、北面の武士として鳥羽院に仕え、23歳で家族を残し出家しました。生涯の大半をさすらいの旅で過ごしたとされており、花や月の歌を多く詠み、宗祇や芭蕉に大きな影響を与えた人物です。守屋も長く西行を描く想いを温めており、ついに描くことが叶いました。
 西行は「願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月の頃」と詠み、歌のとおり、旧暦の2月16日(現在の3月半ばごろ)に入寂したそうです。この作品は、この歌に想を得たものです。
 全体を黒で統一することで、月を際立てています。中央を横切る川は三途の川を暗示しており、今まさにあの世へ渡らんとする西行を描いています。

様々な時代の美しい女性たちをご紹介します

《天平の楽人》(1985年、個人蔵)

 こちらは1985年、守屋が73才の時に描いた≪天平の楽人≫です。天平時代の楽人たちの姿を淡い色合いで爽やかに描きました。
楽人たちは画面左から「五絃琵琶(ごげんびわ)」、「阮咸(げんかん※中国固有の楽器、秦琵琶とも呼ぶ」、「翳(さしば※貴人の顔をかくすうちわのような道具)」、「笛」、「箜篌(くご※古代アッシリアを起源とする楽器、ハープ)」を手にしています。
 守屋は高松塚古墳の壁画再現事業などに携わったこともありますが、細部まで描いたかんざしや履物が、高松塚古墳の壁画や正倉院御物を連想させます。得意の歴史考証で、花開く天平文化を現代によみがえらせています。



《あすかおと女》(1960~70年頃、大垣市蔵)

 こちらは1960~1970年頃に描かれた《あすかおと女》という作品です。
 柔らかな曲線で飛鳥時代の装束をまとった女性が描かれています。右手の女性は中国の琵琶「阮咸(げんかん)」を手にしています。
 昭和40年代の守屋は、「万葉集額田女王」など飛鳥時代をテーマにした舞台美術を手がけるほか、法隆寺金堂壁画再現模写事業や高松塚古墳壁画模写事業に従事するなど奈良に縁が深く、奈良を舞台に多くの作品を制作しています。


《思い出の五色酒》(1994年、個人蔵)

 こちらの作品は1994年、守屋が82歳の時に描いた≪思い出の五色酒≫です。第49回春の院展に出品されました。
 大正時代、大垣市には「桜亭」というハイカラな洋食屋があり、そこによく連れていってくれた養母・志満との思い出を描いています。養母は教養豊かで文学の素養も深く、守屋は大きな影響を受けたといいます。「桜亭」では、比重の異なるリキュールやブランデーを使って五色に分かれたカクテルを出していたそうです。フランス語でプースカフェと呼ばれるこのカクテルは明治末から昭和初期にかけ流行しました。
 縦長の構図の上部に赤くふちどられたランプを描き、凝った模様の壁紙、光にゆれる金モールがモダンな洋食屋の雰囲気を伝えています。
 テーブルに置かれた小さなグラスが、淡いランプの光に浮かび、ゆっくりと五色酒が注がれていきます。養母と給仕の目線に誘われるように、絵を見る側も五色酒ができる時間をともに待ちます。

大垣市に関連した作品たち

《鯰軕水引幕》(1950年、大垣市蔵)

 こちらは1950年、守屋が38才の時に描いた《鯰軕水引幕》です。
 城下町に初夏の訪れを告げる大垣祭。その「軕」のひとつ「鯰」の水引幕として、平成8年まで実際に使われていました。前水引、横水引(左右)それぞれに、伝統にもとづいた図柄が描かれています。動きのある筆の線を生かした戦後間もない頃の守屋の特徴がよく分かる作品です。



《おぼろ》 (1988年、大垣市蔵)

 この作品は1988年、守屋が76才の時のもので、大垣市制70周年を記念して描かれました。
 大垣城は大垣市出身の守屋にとって思い入れの深い場所の一つであり、何度も作品のモチーフとして取り上げ描いています。桜の季節になるとこの作品と同じ光景を大垣公園で今でも見ることができます。
 季節によって様々な姿を見せる大垣城。皆さんはどの季節が好きですか。

守屋晩年の作品

《花源氏(左隻)》(2002~03年、個人蔵)

《花源氏(右隻)》(2002~03年、個人蔵)

 こちらは2002年から2003年にかけて制作された、守屋晩年の作品である《花源氏》です。
 与謝野晶子訳の「源氏物語」に想を得て、源氏五十四帖を風情豊かな四季折々の花や草木に託し、王朝文学の世界を表現しました。制作では、平安時代と変わらぬ品種の花を探して描くことに大変苦労し、屋外を歩き、花屋を訪ね、修業時代の素描をひもといて2年がかりで完成させたといいます。
 源氏物語は、舟橋聖一「新釈源氏物語」の挿絵をはじめ、歌舞伎の舞台美術、扇面「源氏物語」(1991年)等で、何度も手がけ、歴史研究を重ねた画題であり「花源氏」はその集大成と呼ぶにふさわしい一作です。晩年の守屋は、文学の素養が深く、歴史画制作に大きな影響を与えた養母と同時代を生きた与謝野晶子や津田梅子といった明治の女性をたびたび描いていました。
 90歳を超えた制作とは思えない瑞々しく季節感豊かな花の描写は大変見ごたえがあります。花や自然の豊かな実りと組み合わせた素朴な籠や美しい装飾の箱からも王朝文学の雅が伝わり、歴史画家守屋の魅力が存分に発揮されています。

大垣市守屋多々志美術館ホームページトップへ

  第83回企画展「春朧」作品紹介はいかがでしたか。
 今回ご紹介した作品以外にも、今回の企画展では四季折々の花を描いたスケッチなど様々な作品をご紹介しています。
 皆さまのご来館をお待ちしております。

 このほかの守屋多々志美術館の詳しい情報は大垣市守屋多々志美術館ホームページトップ(別ウインドウで開く)をご覧ください。

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