『資料編 近世3』
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『資料編 近世3』の内容
『大垣市史 資料編 近世3』は、天正年間から慶応年間にいたるまでの杭瀬川以西の旧不破郡・旧多芸郡・旧池田郡市橋村を中心とした村々の資料を収録しました。
本巻の特色は、次のとおりです。
江戸時代の村方の暮らしぶりを明らかにする豊富な史料を掲載
農民の生活や文化がわかる史料を多数収録
「村方のくらしぶりや文化を明らかにする」ことに重点を置き、武士による農民支配や村政一般の史料に加え、留書や日記など農民の生活形態や慣習・文化が把握できる史料を多数収録しました。

長松村柳瀬家文書の「諸記録」は、村政・産業・祭礼・行事などから天候・災害、さらには和宮降嫁・蛤御門の変・武田耕雲斎の西上による村人徴発の記事があり、激動する幕末の歴史の中における庶民の様子を具体的に知ることができます。
(写真の文中には御鍬祭りの賑やかな様子や気候について書かれています)
赤坂宿の宿場経営がよくわかる史料を掲載
交通関連の史料の中から、特に赤坂宿の宿場経営の様子がよくわかるものを取り上げました。
「中山道筋宿々御取締御用赤坂宿明細意得書」
「赤坂宿役儀留書」「往還地方万記録二」
「宿引・飯売女雇用規定書」
「赤坂宿通行者留書」
これら史料から、宿の経営や交通の実態を知ることができます。
下の史料は、赤坂宿役人が残した記録です。村政や宿経営に関する訴状が中心で、特に幕末期における宿場の窮状をつかむことができます。

18点のコラムで内容をわかりやすく解説
本編に関わる史料の中から、読者の方々に興味・関心を持っていただけるものをコラムとして取り上げ、内容をわかりやすく解説しました。

別冊付図を7枚収録
裁許絵図や村絵図など10点を別冊付図7枚にまとめ、収録しました。
・「赤坂村・市橋村と青墓村・片山村との山論裁許絵図写」(寛文5年[1665])
・「濃州不破郡荒川村久徳村檜村小笠毛村と同郡塩田村徳光村水損之訴論裁許絵
図写」 (延宝5年[1677])
この2点は、本巻の地形的特色にも関わる山論・水論の幕府評定所による裁許絵図
です。
また、「不破池田両郡赤坂村屋敷絵図」「長松村絵図」(延宝5年[1677])などの村絵図 からは、当時の家並や村の様子がよくわかります。現在と比べて見てみるのも面白いものです。

「赤坂村・市橋村と青墓村・片山村との山論裁許
絵図写」(寛文5年[1665])

「不破郡池田両郡赤坂村屋敷絵図」(延宝5年[1677])