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あしあと

    特集/障がいへの理解を深める<障害者週間:12月3~9日>今日からはじめよう「心のバリアフリー」 (令和5年12月1日号)

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    • ページ番号  63818
    心のバリアフリー

     
     12月3日から9日までは、「障害者週間」です。障がいのある人もない人も誰もが住みやすいまちにするためには、私たち一人一人が相手の気持ちになって考え、共に支え合う「心のバリアフリー」を実践することが大切です。
     障がいのある人が感じている社会のバリアと障がいの社会モデルについて理解を深め、すべての人にやさしい、住みやすい社会のために何ができるかを考えてみましょう。
     
     
    4つの社会的障壁(バリア)
     普段何気なく過ごしている社会の中で、障がいのある人が感じているバリアは、大きく4種類に分けられます。
     
    <物理的なバリア>
    公共交通機関や施設などで利用者の移動などに困難をもたらすバリア
    <例>・点字ブロックのない通路
       ・建物や道路の段差
       ・高いところにある商品や押しボタン
     
    <制度的なバリア>
    社会的ルールや制度によって平等な機会を奪われるバリア
    <例>・盲導犬の入店拒否
       ・学校入試や就職試験などの受験の制限
     
    <文化・情報面でのバリア>
    伝え方が不十分なために必要な情報を平等に得られないバリア
    <例>・手話通訳のない講演会
       ・ふりがな・点字がない資料
       ・音声のみの車内アナウンス
     
    <意識上のバリア>
    差別や無関心など、周囲が障がいのある人を受け入れないバリア
    <例>・障がい者に対する偏見
       ・かわいそうだと決めつけること
       ・見て見ぬふりをすること
     
     
    「障がいの社会モデル」をご存じですか?
     「障がいの社会モデル」とは、障がいは個人の心身機能によるものだけでなく、社会(人や環境)の側に原因があり、社会的障壁(バリア)を取り除くのは社会の責務であるとし、社会全体の問題として捉える考え方です。対して、障がいは個人の心身機能に原因があり、個人的な問題として捉える考え方を「障がいの医学モデル」と言います。
     
    ・段差があり建物に入れない、通行できない
     →「障がい」がある
     
    ・スロープがあれば、通行できる
     →「障がい」がなくなった
     
    [車いすの人は何も変わっていない 変わったのは周囲の環境]
    「社会モデル」の考え方に基づくと、「階段」という障壁(バリア)があることで車いすの人に「障がい」が生じていることになる
    障がいのある人の活動や社会への参加を制限している障壁(バリア)を取り除くことは、すべての人が暮らしやすい社会につながります
     
     
    心のバリアフリーのためにできること
    困っている人に気づくこと、声をかけることから始めましょう
     すべての人にとって住みやすい社会にするためには、物理的なバリアや制度的なバリアなどを取り除くだけでなく、意識上のバリアをなくすために、私たち一人一人が「心のバリアフリー」を意識して行動を起こすことが大切です。
     まずは、自分の周りにはどのようなバリアを感じている人がいるか目を向けてみましょう。そして、困っている人を見かけたら、声をかけてみてください。ほんの小さなきっかけが、障がいのある人をはじめ、高齢者、乳幼児連れの人など、すべての人にやさしい、住みよいまちづくりにつながります。
     

    困っている人に気づくこと、声をかけることから始めましょう

     
    心のバリアフリー実現のためのポイント
    (1)「障がいの社会モデル」を理解する
    (2)障がいのある人やその家族への差別を行わないようにする
    (3)多様な人とのコミュニケーションを通じて、困りごとや痛みに気づき、行動する
     
    私たち一人一人ができること
    ・困っている人に気づき、声をかけてみましょう
    ・ルールを守りましょう(点字ブロックの上に自転車や荷物などを置かない、障がい者専用駐車スペースに駐車しない)
    ・ヘルプマークを持っている人や高齢者、妊婦などを見かけたら、席を譲りましょう
     
    「心のバリアフリー」とは、バリアを感じている人の身になって考えコミュニケーションをとり、支え合うことです。
    私たち一人一人が思いやりの気持ちを持って、できることを考えて行動していきましょう。
     
     
     
    【インタビュー】障がいのある人の気持ち
    〇岐阜県身体障害者福祉協会大垣支部
     伊藤 和則さん
     

    伊藤和則さん

     
     自動ドアがなかったり、段差や急勾配なスロープがある場所での移動は大変です。また、コンビニエンスストアでの買い物は、通路が狭く、高い棚に商品が置いてあることも多いので大変です。商品に手が届かないこともあるので、手伝ってもらえると助かります。できる限り、自分でできることは自分でしたいという気持ちはありますが、気軽に声をかけてもらえると嬉しいです。
     
    ― 気がかりなのはこんな場所 ―
    ・坂道や、急勾配のスロープがあるとき
    ・歩道に凸凹や傾きがあるとき
    ・建物の入口に、段差があるとき
    ・自動ドアがない入口(開き戸は特に負担)
     
     
    〇大垣視覚障害者福祉協会
     篠田 泰明さん
     

    篠田泰明さん

     
     駅で困っていた時に、声をかけてもらえた時はとても嬉しかったです。
     人は、情報の80%以上を視覚から得ていると言われていますが、私たちは耳や手足などの感覚で得ています。慣れている場所でも、点字ブロックの上に自転車が置かれていたり、道路が工事中の時など、少しでも普段と様子が違う時は不安になります。また、音響式信号機がない横断歩道は特に不安なので、声をかけてもらえると助かります。社会の一員として、社会参加しやすいように代筆や代読サービスの対応ももっと増えてほしいです。
     
    ― お手伝いのポイント ―
    ・白い杖を上にかかげているのは困っているサインです
    ・信号機が「青」になったら声をかけ、サポートしましょう
    ・駅のホームなど危険な場所を歩いている時は声をかけ、安全な場所まで誘導しましょう
     
     
    〇大垣聴覚障害者福祉協会
     中嶋 朋之さん
     

    中嶋朋之さん

     
     駅やお店などの緊急時の放送、危険を知らせる音(ブザーやクラクション)が分からないので、教えてもらえると助かります。手話ができる人ばかりではないので、相手の口の動きなどで話の内容を読みとる場合もあります。筆談やコミュニケーションボードの設置など、文字などの表示で情報を教えてもらえると助かります。
     
    ― お手伝いのポイント ―
    ・メモ帳やスマートフォンなどを使って文字によるコミュニケーションをしましょう
    ・緊急時の放送や事故の情報、危険を知らせる音(ブザーやクラクション)を伝えましょう
     
     
     
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