「時山炭」復活へ!地域おこし協力隊員が継承~師匠の技学び 新たな窯から立派な炭を~ (令和6年2月15日号)
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時山炭保存会の川添峯輝さん(左)、川添美治さん(中)とともに、炭の出来栄えを確認する中村明弘さん(右)

新たに完成した炭焼き小屋

新しい窯から炭を取り出す中村さん
かつて上石津地域の特産であった「時山炭」の復活をめざして、地域おこし協力隊員の中村明弘さん(46)が製炭技術を学んでいます。
上石津地域時山地区で古くから盛んに作られていた木炭は、火持ちの良さなどが評判で、「時山炭」として江戸時代には京都や名古屋にも出荷され、集落のほぼ全戸が製炭業に従事していました。昭和に入りプロパンガスが普及したことで急速に衰退し、近年まで数軒が細々と炭焼きを続けてきましたが、数年前に途絶えました。
なんとか製炭技術を残そうと時山地区の住民有志が令和4年3月に時山炭保存会を立ち上げ、炭作りを引退した川添美治さん(89)と川添峯輝さん(82)が師匠となり、継承の担い手として市が招いた地域おこし協力隊員の中村さんに、製炭の知識や技術を指導しています。
中村さんの手により、令和4年9月から「時山炭」の生産が再開。令和5年の夏からは、使われなくなっていた炭焼き窯跡を再利用し、地域の皆さんも協力して、新しい窯作りにも取り組みました。
新たな炭焼き窯は、牧田川のほとりの山間にあり、トタンの三角屋根で覆われ、一回の窯焚きで約330キログラムの炭を作ることができます。2人の師匠の指導を受けながら新しい窯での「時山炭」作りが順調に進んでおり、炭を取り出した中村さんから笑顔がこぼれます。
中村さんは「時山炭の継承には、製炭だけでなく先人の知恵が詰まった窯作りのノウハウも大切。先輩の技術を吸収して、みんなに喜んでもらえる立派な炭を作りたい」と意気込んでいます。
伝統を後世に引き継ぐ地域おこし協力隊員の活動について詳しくは、上石津地域事務所地域政策課(TEL 45-3113)へ。

火持ちが良く煙が少ないのが特徴の時山炭(1級)
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