特集 どうする?空き家のこれから (令和6年2月15日号)
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近年、人口減少や高齢化の進展、居住形態の多様化など、社会構造やニーズの変化に伴い、全国的に空き家問題が深刻化しており、安全で安心な市民生活に悪影響を及ぼしています。
このような状況の中、国においては、令和5年12月に空家等対策の推進に関する特別措置法が改正され、本市においても、今年度、大垣市空家等対策計画の改定を進め、さらなる空き家対策に取り組んでいます。
今回の特集では、空き家にしないための対策や空き家の活用方法などを紹介します。
詳しくは、住宅課(TEL 47-8184)へお問い合わせください。

【空き家の例】現在は所有者により解体済み
≪本市の空き家の状況≫
本市において、平成29年度と令和4年度に空家等実態調査を実施したところ、下表のとおりとなり、本市においても空家が増加していることがわかります。
この空き家の分布傾向としては、主に市内中心部のほか、北部から北西部および墨俣地域の旧街道周辺地区や山間地域の上石津地域などに集中しています。
また、令和4年度の空家等実態調査の結果によると、市内にある空き家のうち8割程度の空き家は小規模な修繕をすれば使用できる状態であり、その中でも、7割程度の空き家については売却・賃貸などの利活用の可能性が高い空き家となりました。
一方で、状態の悪い空き家や利活用の可能性が低い空き家の件数も増加していることから、区域によっては利活用されにくい空き家が残り、状態も悪くなってしまうことが推測されるため、取り壊しと利活用のバランスのとれた施策が必要となっています。
市内全域 | 空き家数(件) | 空き家率(%) |
---|---|---|
平成29年度調査 | 2,304 | 4.4 |
令和4年度調査 | 2,422 | 4.6 |
増減 | +118 | +0.2 |
≪空き家のセルフチェック≫
空き家を適正に管理するために、セルフチェックしてみましょう。
□ 屋根の変形はありませんか
□ 瓦などのはがれ、脱落、破損などはありませんか
□ 軒のはがれ、脱落、破損などはありませんか
□ 雨樋の脱落、破損はありませんか
□ バルコニーの破損、たわみはありませんか
□ 外壁のはがれ、脱落、破損はありませんか
□ 扉や窓ガラスの破損はありませんか
□ 天井や壁に雨漏りやカビなどはありませんか
□ 基礎にひび割れや傾きはありませんか
□ 塀のひび割れや傾きはありませんか
□ 害虫などの発生はありませんか
□ 動物の糞尿や棲みつきなどはありませんか
□ 庭木の枝や雑草が繁茂したり、道路や隣地などに越境したりしていませんか
□ ゴミの放置や不法投棄はありませんか
【チェック個数 : 個】
・0個・・・・・引き続き管理をしましょう。
・1個以上・・・放置すると、さらに老朽化します。管理や補修を行いましょう。
・4個以上・・・早急に対処をお願いします。
≪空き家の適切な管理をお願いします≫
空き家の所有者は、普段から適正管理について意識するとともに、管理していくことが必要です。
次の3つのポイントを意識して空き家の管理を行いましょう。
[ポイント(1)] 空き家の適切な管理を!
空き家は、個人の財産であり、空き家の所有者が管理をしなければなりません。所有する土地、建物が他者に被害を与えた場合、当事者間での解決が基本で、所有者(相続人を含む)や管理者、占有者が責任を負うことが民法で定められています。
所有者は、隣家や道路など周辺への悪影響がないように定期的に見回りをしましょう。
[ポイント(2)] ご近所へ連絡を!
離れた場所に住んでいる所有者や関係者などは、近隣の人たちに住所や連絡先を伝えておくなど、すぐに対処できるようにしましょう。
[ポイント(3)] 空き家の将来を考える!
現在、適切な管理をされている空き家も、将来にわたり管理し続けることが困難な場合もあります。将来のことを考え、なるべく早期に空き家の賃貸や売却または、解体後の土地を売却するなど積極的な利活用をご検討ください。
■専門家に聞く、空き家問題
NPO法人大垣空家対策協議会は、大垣市から空家相談会の業務を委託されており、空き家に対するさまざまな相談を受け付けています。
相談の中で、現在空き家をお持ちの方や、今後、空き家になる可能性がある建物を相続される方には、親族の方とご相談され、なるべく早めの対応をおすすめしています。
まず、その建物は今後必要なのか、親族などの誰かが使用するのか、その場合、何年先まで誰が維持管理するのか、このようなことを相談する必要があります。
なお、維持管理には、毎月2回以上の換気や通水、雨漏れや漏水などの確認、郵便物の処理、除草作業などが必要になります。
維持管理ができていないと、雨漏れによる倒壊や害虫が発生したり、不審者が侵入したりするなど、ご近所の皆さんに迷惑をかけることになりかねません。
そのため、適切に管理できない建物は、中古住宅として活用できる場合は、不動産業者や空家バンクなどを利用しての賃貸や売却、活用が難しい場合は建物を解体し、更地にして売却するなどの対策をしていただくことになると思います。
空き家は、大切な財産です。負の遺産になる前に適切な対処をお願いします。

NPO法人大垣空家対策協議会 代表理事 野口 浩英さん
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