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STAY HOME!おうちで守屋多々志美術館企画展「春の宴」を楽しもう!

[2020年5月8日]

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守屋多々志美術館は春の企画展「春の宴」の会期中でしたが、現在、新型コロナウイルス感染防止のため臨時休館を余儀なくしています。ご来館いただけなかった皆さまへ「春の宴」をご紹介します。おうちからぜひ美術館を訪れた気分を味わっていただければ幸いです。

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展示室に入ってみましょう

今回の企画展は、四季折々の花々を描いた作品や、華やかな装いの女性たちを描いた作品を中心に展示してします。

展示室に入ると正面のガラスケースには満開の桜と乙女を描いた四曲一隻屏風がお出迎え。

この作品は、守屋が2001年、89歳のとき、歌人与謝野晶子をテーマに描いた≪みだれ髪≫です。作品中心に描かれた紫の着物の黒髪の少女は若い晶子です。
タイトルの「みだれ髪」は1901(明治34)年は発表の第1歌集で、奔放な愛の情熱をうたって反響をよびました。

   その子二十歳櫛に長るる黒髪のおごりの春の美しきかな
   黒髪の千筋の髪のみだれ髪かつ思い乱れ思いみだるる

少女は恥じらうようなしぐさで、暗い室内の丸い窓の前に座っています。室内とは対照的に明るく描かれた窓の外は、満開の桜が描かれ、こぼれた花びらは室内にも降りこんでいます。
画面左手には、晶子に向けて、恋の矢を射る可愛らしいキューピッドも描かれています。
晶子は生涯の一事業として「源氏物語」の現代語訳に三度取り組んでいますが、この少女の装いは紫式部へのオマージュでしょうか。守屋の最晩年の作品ですが、初々しい初恋を描いたとてもみずみずしい作品です。

なお、作品に描かれた赤いランプは守屋のアトリエに置かれた愛藏品。アトリエコーナーに展示中です。

大きな作品をご紹介します

左手は、1935年、守屋が東京美術学校学生時代に描いた≪パリスの審判 ギリシャ神話≫という作品です。

「パリスの審判」は、ギリシャ神話の一話で、争いの神エリスが「最も美しい女神に与える」と投げ入れた黄金のリンゴをめぐり、ヘラ、アプロディテ、アテナの三美神が争います。仲裁に入ったゼウスは、トロイの王子パリスに判定させることにしました。女神達は様々な賄賂による約束をしてパリスを買収し、「最も美しい女をパリスに与える」と買収したアプロディテを選びます。「最も美しい女」とはすでにスパルタ王妃ヘレネーのことで、これがトロイア戦争の原因となりました。

西洋絵画のデッサンを取り入れながらも、日本画の素材と質感を生かしたさわやかな作品です。探究心と意欲にあふれた美術学校時代の姿が分かります。

右手は、1969年に描かれた≪楊四娘≫です。

絶世の美女とうたわれた中国唐の玄宗皇帝妃・楊貴妃(719~756年)の少女時代を3人の姉とともに描いた作品です。
野山を駆ける四姉妹は、鮮やかな緑と金箔を用い、若い娘らしい華やかな色調でリズミカルな画面を築いています。
質感ある画面で背景を花で埋め尽くした構成は、イタリア留学(1955~56年)で触れたルネサンス絵画に通じ、金箔の効果は壮麗な大和絵を連想させます。

この2枚の屏風は、守屋の最晩年の作品≪花源氏≫です。

与謝野晶子訳の「源氏物語」に想を得て、源氏五十四帖を風情豊かな四季折々の花や草木に託し、王朝文学の世界を表現しています。

制作にあたっては、平安時代と変わらない品種の花を探して描くことに大変苦労し、屋外を歩き、花屋を訪ね、修業時代の素描をひもといて2年がかりで完成させたといいます。


≪願わくば≫ 1998年

こちらの作品は1998年に描かれた≪願わくば≫です。
平安末期の歌人 西行法師(1118~1190)を描いています。北面の武士として鳥羽院に仕え、23歳で出家。生涯の大半をさすらいの旅ですごしました。花や月の歌を多く詠み、松尾芭蕉にも大きな影響を与えました。
「願はくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月の頃」と詠み、歌のとおり、2月16日(2020年なら3月10日)に入寂しました。この作品は、この歌に想を得ています。
全体を黒で統一し、月を際立て、中央を横切る川は三途の川を暗示し、あの世へ今渡ろうとする西行を描いています。

美しい春の花々と女性を描いた作品をご紹介します

花素描

大垣中学を卒業した後上京し、前田青邨に入門した当時の精緻な花の素描です。

手前の≪山吹≫は青邨のもとで初めて描いた写生です。
青邨は上京したばかりの多々志少年に、紙と筆と一本の山吹を渡し「こいつを筆で見た通りに描(きゃ)いてみ。この写生が日本画の基礎になるのやでな。」と美濃弁で言いました。守屋は、それ以来、この言葉を信条として、朝起きると墨をすり、必ず一日一枚の写生をすることを欠かしませんでした。

≪白薔薇≫

≪白薔薇≫ 1930年

≪山吹之花≫ 1930年

≪山吹之花≫

≪朧月夜の君≫

≪朧月夜の君≫ 1975年頃、源氏物語より

≪あすかおと女≫

≪あすかおと女≫ 1960~70年 天平の女性

≪おぼろ≫

≪おぼろ≫ 1988年 春の大垣城 

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